”「そうですね。そういう意味では、はっぱり企画の段階というよりも、これは途中から作られた映画だったですね。最初に絵コンテをきってる段階では軽く考えてたんです、短いものを作ろうっていうことでしたからね。それが、世界情勢の変化とですね、あとやっぱり『おもいでぽろぽろ』が大きかったです。観終わった途端に『ああ、もうとうとう崖っぷちまできたな』っていうね。『これ以上やっちゃ駄目だ、これはもう極まった』というか(笑)。あれは要するに『百姓の嫁になれ』って演出家が叫んじゃったわけですからね。東京の中でなにをゴタゴタ言ってるんだよっていう。でも、我々は東京にいるしかないものですから。そこまで言われてしまったら、先に進めないっていうんじゃないんだけど、もう等身大のキャラクターで作るっていうことに対して、いろんな功罪も含めて、極まったって感じがしましたね。ですから、違う方向のキャラクターをいくつか出したり、メイン・スタッフも替えようってことでいくつか企画を立ててスタッフ編成も実際やったりして、そのあいだを埋める作品として『紅の豚』があるというかね。まあリハビリだってふうに言ってたんです。実際には準備した企画がいろんな内部事情でみんな崩壊してしまい、全部流れちゃって『豚』だけが延びはしたけど、そのあいだを埋めたっていう(笑)」”

 

宮崎駿
「風の帰る場所」1992.7.インタビューより

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