”「ただ同時に、やっぱり想像以上にほとんどの人が真面目なんですよね。僕はそう思います。子供たちがどんなに華でせせら笑ったり、不信の目で方をそびやかしても、実は本当はーーーよく言われてた、今はもうすっかり泥まみれになってしまった、愛とか正義とか友情とか、なんか自分が生きてきたことを肯定してくれるものを本気で喋ってくれないかなあって、みんな待ってるんだと思いますね。それだけは確かです。かといって、それを言えばいいんだってことじゃないですけども。ただ、自分にそれを『言えるのか?』っていうことがありますからね、語るこっちのほうに。で、それを言えない奴がね、商売として言ってるのを見るとムカムカしますけど。だけど、やっぱり基本的に、ものすごくみんな真面目に『自分はどういうふうに生きていったらいいんだろう?』ってふうに子供たちが思ってることだけはもう間違いないと思います」”

 

”「で、それに対して『自分のように生きればいいんだ』とは言えないですよね。これはもう最低の生き方をしてるから(笑)」”

 

”「だけど、『本当にそういうことを真面目に言ってくれないかなあ』っていうね、言ってくれる人いないかなあって子供たちが思ってることは間違いないんですよ。ただ、それを壇上で喋ったり教室で喋ったり、親が子供に向かって説教したりして通じる程甘くなくなっただけです。だけど、自分たちが映画を作るときに、その根本だけは忘れちゃいけないんじゃないかなあと思うんです。それを言いたくないときは、作品を作らないほうがいいんですね。作らないほうがいいと思います、僕は」”

 

宮崎駿
「風の帰る場所」1990.11インタビュー

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