”(インタビュアー)

ーーーでも、アニメーター・宮崎駿としては、自分の一番求めるものとして、そういう映像自体のクウォリティーに執着してしまうっていうのは根強くあるんですか?

 

「いや、自分で一番求めるのとは違うんです。ただ、それがなければ、その‥‥‥」

 

ーーー次もないと?

 

「ええ。つまりそれは、ほんのわずかでもいいから、一作品ごとに試みるべきだって思いますね。やっぱり、そういうことを放棄した途端にね、僕らにとってのアニメーションはただの手段にすぎなくなって、そのなにかストーリーを説明するための手段であったり、自分の大したことのない言いたいことのための手段でしかなくなってしまって。どっかで退廃が起ると思うんですよ。僕らはアニメーションを始めたときから、自分たちが一番いいなあと思ってる作品に比べてね、自分たちのやってる作品がいつも劣ってるっていうね(笑)。『どうしたらいいのか?』っていうのを、こう話しながらやってきて。ここのところ他の国がやらなくなっちゃったから」”

 

”「なんとなく、他に比べるものがないまま、それは『いいの・悪いの』って言ってくださるけど。でも、やっぱり僕らが最初に出会って『これはすごい!』と思った作品ーーー今観たらそうじゃないにしても、その当時に観たときのインパクトに比べると、自分たちのやってる作品のインパクトっていうのは、なんかこう、ものすごく多くの慣れの上に乗っかってるんじゃないかなあっていう、そういうのがあってつらいですね」”

 

 

宮崎駿
「風の帰る場所」1990.11インタビュー

 

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