”例えば東京に居てね、なんとかこの街の中で若者が生きる希望を見出すような映画は作れないかとかねーーーだけど、そんなもの作らないほうがいいですよ!こんな街はさっさと出てったほうがいいって」”

 

”「そういう映画なら僕は納得できますけどねえ。あんなのは嘘ですよ!なのに、みんな、そういうのを欲しがるんですね。それが現代に切り込んでる映画だと思い込むからです。それは自分自身の甘えを許してもらいたいと思ってるだけでしょう?だから、アニメーションでね、例えば現代の東京を舞台にしてね、そこでやることがわからないまま、コンビニエンス・ストアに出入りしてるだけで生きてる若者ですね、なにか突然チャンスがあったときに自分の力を発揮して、そうやって自分自身を見つけていくような話しを作れないかなあって夢見てる人は多いんですよ。例えば新人採用のときに”あなたの作りたい映画”っていうテーマで書いてよこせっつったら、みんなそれを書いてきますよ」”

 

”「そんなに自分自身の励ましのための映画が欲しいのか!っていう。そんなに短絡的なもんなんですかねえ、映画っていうのは、作品っていうのは。『あんたは、どういうことをやろうとしてるのか?!そういうバカな状況で、その中で何をやっても無駄なんだ』って僕は思うんですよ。ナチスの軍隊の中にいてね、どんなに人間的になろうと努力するったってーーーそのナチスの軍隊に入らなくてもいいんだったら、さっさと抜けろっていうことがいくらでもあるわけでしょう!」”

 

”「僕は、今東京の状況っていうのは、そういう状況だと思うんですよ。さっさと抜けろっていう状況であってね。そこに留まるなら、自分の愚かさを耐え忍べっていうね!いやあ、そんなことを力説してもしょうがないんだけど(笑)」”

 

宮崎駿
「風の帰る場所」1990.11インタビュー

 

 

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